四方山ライブラリー

高齢馬に飼いを与える

- 高齢馬の餌と健康 -

動物医学や栄養学が発達した現在、馬の寿命も延びました。こうした馬の世界の「シニア」には、(私達人間のシニア世代と同じように)いろいろと必要となる物が有ります。こうした高齢馬が楽しい老後を送れるように特別の注意を払うことが私達人間の役目と思います。

高齢馬にとって一番大きな問題はおそらく栄養でしょう。餌を効率よく噛めるかどうかは、歯の状態によって大きく変わりますが、この問題をさらに深刻にするのは、高齢馬(15歳以上)は消化効率も悪くなっているということです。つまり、繊維を消化する力及び栄養を吸収する力が低下しているのです。中には通常の20%まで低下する馬もいます。ですから、高齢馬は、単に体の状態を保つために、より多くの餌(あるいはもっと消化しやすい餌)を必要とします。

高齢馬の世話と健康維持のためには、獣医または有資格の動物専門の歯科医に年に2回歯の検診を受けることが大切です。すり減った歯は、口の中に傷を作ることがあり、傷ができると馬は痛みを感じるので、噛むことが大変な苦痛になります。あるいは、衰えた歯では草を食べることが難しくなります(地面から草を噛みちぎることができないため)。また、噛んでいる時に餌をこぼしてしまう馬もいます。

高齢馬にどんな餌を与えるかも大変重要な問題です。カラスムギやトウモロコシ、大麦などの生の穀物は一般に年老いた馬には向きません。理由は2つあります。まず、これらの穀物はかなりかたいため噛むのが難しいからです。2つ目の理由は、消化管の消化効率が落ちているため、こうした穀物は消化されないまま体内を通ってしまうからです。

エクエストリアンなどの良質のペレットは、年老いた馬にとって素晴らしい製品です。噛みやすく(すりつぶせばさらに噛みやすくなります)、ミネラルや微量元素も多く含まれているため、優れた栄養源になります。しかし、年老いた馬はタンパク質を体内で保持するのが難しい場合があり、その場合は食事によるタンパク質摂取を増やす必要がありますが、これは、まわりの種等を最大で0.5kgまで餌に追加すれば解決します。

Horsepower社は、Spelletという、高たんぱくのペレットを生産しています。これは当初、種雌馬や成長途中の若い馬に与えるために開発されたものです。年老いてやせた馬の餌に1日0.5kgのSpelletを加えれば、吸収されやすい高品質のタンパク質を摂取でき、馬の栄養状態は劇的に改善します。
高齢馬用の素晴らしい製品がもう1つあります。TuffRock EJFです。これは、馬用に特別に配合されたパン屑状の餌で50g/日を飼い桶に入れて他の餌と混ぜて与えても良いし、そのままでも食べてくれる食いの良い餌です。 年老いた馬も栄養になる餌を簡単に与える事ができます。

高齢馬は、特定のビタミンを合成する力も衰えている場合があります。特に、ビタミンB群とC群が影響を受ける可能性があります。研究によると、これは、腸内の微生物叢の減少し、そのために年老いた馬が体内でビタミンBを作るのが難しくなるためと指摘されています。一方、ビタミンCの欠乏もよくみられる問題の1つです。ビタミンCが不足すると、ウイルスに感染しやすくなるという大きな危険があります。TuffRock EJFなどの製品で年老いた馬の餌に栄養を補給するとよいでしょう。

高齢馬の環境管理もまた、餌を食べる能力を最大限まで伸ばすために大変重要です。飼っている年老いた馬が他の馬と一緒に放牧されている場合は、若い馬が年老いた馬をいじめて餌を食べられないようにしていないか、特に注意して下さい。餌を食べる順番において強い存在感を維持する術を覚える年老いた馬もいますが、多くは年を取るとともに大変落ち着いて、若い馬やもっと攻撃的なタイプの馬の格好のターゲットになっています。必要な場合は、餌の時間には年老いた馬を別のところに連れて行き、落ち着いて餌を食べられるようにしてあげるといいでしょう。

馬は、暑すぎたり寒すぎたりする天候に対しても、年を取るにつれて敏感になっていきます(これもまた人間と同じですね!)。寒い冬には、敷物と雪や寒さをしのぐことのできる馬房が大変重要になります。同じように夏には、適当な日陰が必要です。まとめると、年老いた馬を管理するには、若い馬以上に世話をし、細かいところまで注意することが大切です。あなたの馬が楽しい晩年を過ごすことができるよう、できる限りのことをしてあげて下さい。

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飼養管理の基礎の基礎

馬に餌を与える時の
ゴールデン・ルール

基本は『少量を頻繁に』

常に適切な食物繊維を与える

いつも同じ時間に餌を与える

常に新鮮で異物が混ざっていない飲み水を用意する

嵩ではなく重さで与える

それぞれの馬の状態を考慮した餌を与える

飼いの内容を変える時は徐々に

飼桶はきれいに保ち、
低い位置に

寄生生物と歯

餌の保管

食物繊維の重要性

最初に食物繊維とはどの様な物でしょうか?この繊維は飼料の炭水化物を含む物で植物の構造的な支えとなる木質材料を含みます。この化合物(食物繊維)は粗繊維と呼ばれセルロース、ヘミセルロース、ペクチン、リグニン等が含まれでんぷんや糖質等より消化されにくい物です。 リグニン(木質素)は難消化物の為、全て消化する事が出来ません。

このリグニンの高含有量(粗繊維)飼料は消化率が低いと言えます。でんぷんや糖などの炭水化物は主に小腸から分泌される酵素によって分解されます。 消化酵素は繊維質を消化出来ない為、腸内微生物に消化を依存します。

馬では、これらの微生物が(細菌、真菌、原生動物)大腸に主に住んでおり、膨大な数を有しています。 馬糞の乾燥重量の約50%が死んだ微生物から構成されています。 驚くべきことに大腸内の細菌細胞の数・・更に読み続ける